「信楽徳利」古谷道生作 共箱　共布　陶歴付き 高さ14㎝　胴部8.5㎝ 口径3.3㎝　底付き5.5㎝ (経歴) 信楽焼の陶芸家。 滋賀県出身。 内田邦夫に師事。 信楽と伊賀に生涯30基以上の窯を築き、窯の改造など焼き物作りを探求、穴窯は不安定で少量生産しか望めないが、古谷はその不安定なことを利点とした作品を作り続けることに作陶の道筋をつけていた。 1994年、古谷は、自身のそれまでの穴窯の築窯や焼成に関する試行錯誤の研究と実績、焼成理論を纏め上げた研究書『穴窯─築窯と焼成─』を刊行した。この一冊は、のちに陶芸家として活躍する人々の穴窯指南書・虎の巻・バイブルとなり、信楽のみならず全国の陶芸家に影響を与え、各地で穴窯が作られ、現在では、登り窯にとって代わり、穴窯が薪を使って焼成する窯の主流といってよいほどになた。この本の刊行のあと体調を崩し、多くの人に惜しまれ、54歳で早逝した。偉人の夭折であった。 今は息子の古谷和也が後を継ぎ、父を上回る作品を発表しファンが増加している。